自然界の普遍を知る学問
物理学は、自然界のすべてのものが従う普遍的な法則や原理を追求する学問です。20世紀初めに構築された量子論の発見以来、現代物理学は科学技術に対して計り知れないほど大きな影響を及ぼしています。物理学を学ぶことは、すべての科学技術を根本から理解することにつながり、どのような科学技術の変化にも柔軟に対応していく素養を身につけることにつながるのです。
本物理学科では、約40名の教員が「創造的研究活動と教育実践の融合」という理念を持ち、世界レベルで活躍する人材の育成を目指して、質の高い教育・研究活動を行っています。学生は量子力学や相対性理論、宇宙や素粒子などを研究すると同時に、半導体や超伝導の理解や物理実験を通じて工学的な技術を学ぶことができます。社会において物理学科卒業生の需要が多い理由がここにあります。
グローバルな全人教育
北海道大学理学部物理学科は、能動的学習のための授業応答システム「クリッカー」を日本の高等教育機関で初めて導入しました。その後クリッカーは有効性が認められ、現在では海外同様、日本の大学でも広く普及しています。
また、本学科は、海外ではほとんどの大学で行われている大学院生講師「GSI(Graduate Student Instructor)制度」を日本の理系大学として初めて取り入れました。GSIによる演習授業では、大学院生と学部学生の親密なコミュニケーションにより、将来のリーダーとなる人材の育成に努めています。学部学生にとっては気軽に質問できる利点があり、大学院生には自ら演習授業を企画し説明能力を高める機会になります。加えて、GSIとして得られる給与が大学院生活を経済的に支援する役割も果たしています。
このように、北大物理学科では物理研究や教育研究を通じて全人教育に取り組み、フロンティア精神を持つ学生の育成に努力しています。